素地(きじ) | タイルの主体をなす部分で、きじの質、吸水性などによって、磁器、せっ器、陶器などに区分されます。 |
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陶器質 | 素地は多孔質で吸水性が大きく、たたくと濁音を発します。(吸水率22%以下) |
磁器質 | 素地は透明性があり、緻密で硬く、たたくと清音を発します。(吸水率1%以下) |
せっ器質 | 磁器のような透明性はありませんが、素地は硬く吸水性は少ない。(吸水率5%以下) |
酸化焼成 還元焼成 |
燃焼に対して酸素量が充分な状態で焼成することを酸化焼成。酸素量が不足している状態で焼成することを還元焼成といいます。 還元焼成は、釉や素地中の発色素(顔料)が変化しやすく色幅等が大きくなる特長があります。 |
湿式品 乾式品 |
練り土を押しだし成形機で成形した製品を湿式品。粉状坏土を油圧プレスで成形した製品を乾式品と呼びます。 |
土もの | 赤土や粘土、砂、シャモット、顔料等を練り合わせた湿式品で、柔らかい焼きものらしい土味をもったタイル。 |
平物 | 表面がほぼ平面状で、正方形または長方形のタイルを平物と呼びます。 |
ユニット | 施工しやすいように、タイルの表面もしくは裏面にシート状、ネット状またはそれに類する台紙を張り付けるか、またはその他の方法で多数のタイルを並べて連結したもの。なお、タイルの表面に台紙を張り付けたものを表張りユニットタイルといい、裏面に台紙を張り付けたものを裏張りユニットタイルといいます。 |
役物 | 主に開口部、隅角部などに用いるタイル。 |
片面取 両面取 |
内外装タイルの代表的な役物。 |
曲がり 標準曲がり 屏風曲がり |
外装タイル、外装モザイクタイルの代表的な役物。 |
階段タイル タレ付階段タイル |
床タイルの代表的な役物。階段先端の踏面に使われている専用タイル。滑り防止のため、筋状の凸起または溝がつけられているものもあります。 |
スロープ床タイル | スロープ(傾斜)部分に使われる専用タイル。防滑性を高めるため表面に凸起した模様が施されています。歩道用と車道用があります。 |
裏あし | セメントモルタルや接着剤との接着をよくするため、または製造上の理由で裏面につけたあし、リブまたは凹凸。 外装に使用するタイルの裏あしの基準は ○外装タイル(小口平以上)裏あし高さ1.5mm以上で、形状はあり状 ○外装モザイクタイル(50mm角、50mm二丁平)裏あし高さは0.7mm以上で、形状はあり状。 |
滑り抵抗値 | 下記のような試験機を用い、床タイルの滑り抵抗評価の一助にします。 「英国式ポータブル・スキッドレジスタンス・テスター」 英国の道路交通研究所が舗装道路(車道)の表面の滑り抵抗を測定する目的で開発したもので、測定値は、多くの実物試験との照合結果から、時速50kmの乗用車タイヤの滑り特性とほぼ一致するといわれています。 単位はB.P.Nです。 人の歩行に関しての指標 |
通し目地 | タテの目地が乱れないで直線に通ることを通し目地(あるいはイモ目地)といいます。タイルの中心に次の段の目地の中心がのるように張る形式を馬踏み目地といいます。 |
ねむり目地 | タイルとタイルをつき合わせるように張って目地幅をとらない方法。剥離や破損防止等のため、このねむり目地施工は避けるべきです。 |
塗り目地 | 目地詰め作業の一つで、目地材をゴムゴテなどでタイル面に塗り込み、目地ゴテで目地押した後余分な目地材をかき取り仕上げる方法です。 |
一本目地 | 目地ゴテで、目地の部分に目地材を押し込んで詰めていく方法です。 |
シーラ処理 | ドライアウト※、白樺、下地の膨潤等を防止するために、多孔質で吸水性のあるタイルや下地材等にあらかじめ撥水剤処理をすることです。 ※モルタルが水和反応を完了するために必要な水分が不足し、完全硬化できない状態をいいます。 |
研磨品 | 表面を鏡面状に磨いたタイル。豪華で、意匠性、耐汚染性に富むが、床に使う場合は水濡れがある、もしくは雨水等が持ち込まれる床部では滑ることもあるので、使用不適。水濡れがない屋内店舗床等に石面あるいは300×75平、75角とパターン張りされることが多い。 |
凍害 | タイル素地の空隙に水が入り、この水が凍結すると約1割の体積膨張が生じ、その結果損傷が起こる現象。 陶器質タイルは吸水性が大きいため、寒冷地では内装であっても、水がかりするような箇所(浴室壁面など)では、この凍害が発生することがあります。陶器質タイルには、寒冷地適正マークをつけていませんが、寒冷地でも水がかりのない箇所(キッチンバック、トイレ壁面・給湯室壁面など)には使用可能です。 |
白華 | タイル面が目地部分に白色のカサブタ状のものが付着したり垂れさがったりしているものを白華(エフロレッセンス)といいます。(レンガや吸水の多い無釉タイル表面にだけ発生する場合を粉吹きといって区別します。) (原因) セメントの硬化過程で生成する水酸化カルシウムが水に溶け、仕上げ面が乾燥するとき、空気や炭酸ガスと反応して不溶性の炭酸カルシウムとなって残るものです。 (対策) タイル裏面に隙間があったり、壁面にクラック等があり、水が入ると発生しますので、次のような対策が必要です。 [1]タイル裏面に張り付けモルタルを満べんなく充填する改良積上げ張り・改良圧着張り・密着張り等の工法の選定。 [2]伸縮目地、き裂誘発目地の設定。 [3]窓回りやパラペット部の充分な雨仕舞 |
熱破損 | 浴室床や浴槽のタイルに外周から内側にクラックが入ることがあります。原因はお湯による熱でタイルが急激に膨張し、目地部分が硬すぎると、タイル側面から圧縮せん断応力をうけ、これが繰り返されて破損が生じるものです。骨材入りの既製調合目地材の使用をおすすめします。 |
参考資料:「タイルの知識」ダントー(株)